日本は世界でも特に人口の高齢化が進んでいる国の一つです。このため、2025年問題として知られるさまざまな社会問題に直面しています。その中で、特に注目されているのが「老老介護」の問題です。老老介護とは、高齢者がさらに高齢の家族を介護する状況を指します。この状況は、高齢化社会が進むにつれて、ますます増えていくと予想されています。
老老介護にはいくつかの大きな課題があります。まず、介護をする側も高齢であるため、身体的、精神的な負担が大きいということです。自分自身も健康問題を抱えている可能性が高く、介護という重労働がその健康をさらに悪化させる恐れがあります。また、介護が長期にわたる場合、経済的な負担も大きくなります。公的な支援があったとしても、それだけでは足りず、私費を追加で負担することになる家庭も少なくありません。
さらに、老老介護は家族内での孤立を深める原因にもなります。介護に追われるあまり、外部とのコミュニケーションが減り、社会的なサポートを受けにくくなる場合があります。このような孤立は、精神的な負担を増大させるだけでなく、必要な情報や支援にアクセスしにくいという問題も引き起こします。
この問題に対処するためには、まず、家族だけに介護の責任を負わせない社会の仕組み作りが必要です。公的な介護支援サービスの充実や、介護者が休息を取れるような制度の整備、介護者同士のコミュニティ形成支援など、介護に関する総合的なサポート体制の強化が求められます。また、介護に関する情報の提供や、介護技術の習得支援も重要です。介護者が適切な知識や技術を身につけることができれば、介護の質の向上はもちろんのこと、介護者自身の負担軽減にもつながります。